親鸞伝絵(御伝鈔)

【しんらんでんね(ごでんしょう)】

親鸞伝絵は本願寺第三代覚如かくにょ宗祖しゅうそ親鸞しんらんの生涯を表した絵巻物である。親鸞三十三回忌の翌年1295年(永仁えいにん3)に、初めて制作されたといわれる。覚如が二十六歳のときであった。

詞書ことばがき図絵ずえから成り、詞書の方を伝鈔でんしょう、図絵の方をでんと呼ぶ。御伝鈔は上下巻の二巻構成で上巻八段、下巻七段に分かれる。御絵伝は四ふくにまとめられている。御伝鈔の初版は1336年(けん3)に足利あしかが尊氏たかうじだい天皇てんのう覇権はけん争いによって、京の町が戦火と化した建武の乱によって本願寺ごと焼失したとされる。

現代の本願寺ではしょう報恩講ほうおんこうちゅうたいにあたる一月十三日の初夜しょや (15:30~)、正信しょうしんのおつとめが終わってから本願寺どうしょく拝読はいどくする。2019年においては15:54頃からの拝読はいどくであった。

御伝鈔の構成

上巻

  • 一段 出家しゅっけ学道がくどう
  • 二段 吉水きっすい入室にゅうしつ
  • 三段 六角ろっかく夢想むそう
  • 四段 蓮位れんい夢想むそう
  • 五段 選択せんじゃく付属ふぞく
  • 六段 信行しんぎょう両座りょうざ
  • 七段 信心しんじん諍論じょうろん
  • 八段 入西にゅうさい鑑察かんざつ

下巻

  • 一段 師資しし遷謫せんちゃく
  • 二段 稲田いなだ興法こうぼう
  • 三段 弁円べんねん済度さいど
  • 四段 箱根はこね霊告れいこく
  • 五段 熊野くまの霊告れいこく
  • 六段 洛陽らくよう遷化せんげ
  • 七段 廟堂びょうどう創立そうりゅう

以上が上下巻の内容となる。

参考文献

[1] 『浄土真宗聖典 -註釈版-』(本願寺出版社 2000年)
[2] 『聖典セミナー 親鸞聖人絵伝』(平松令三 本願寺出版社 1997年)
[3] 『浄土真宗辞典』(浄土真宗本願寺派総合研究所 本願寺出版社 2013年)
[4] 『絵物語 親鸞聖人御絵伝 -絵で見るご生涯とご事蹟-』(本願寺出版社 2015年)
[5] 『浄土真宗聖典 御伝鈔 御俗姓(現代語版)』(浄土真宗本願寺派総合研究所 本願寺出版社 2020年)

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