本願寺四祖
【ほんがんじしそ】
四祖とは本願寺第3代覚如(1270-1351)・第8代蓮如(1415-1499)・第11代顕如(1543-1592)の3人と、直近に亡くなった門主(宗主ともいう)のことである(現時点では第23代勝如(1911-2002)を指す)。覚如、蓮如、顕如の三人はそれぞれ鎌倉時代・室町時代・安土桃山時代という動乱の時代で、親鸞が教えた浄土真宗をさらに世へ発展することに成功した人物である。
本願寺は四祖の祥月命日の逮夜法要(前日の十四時)にて五会念仏作法を勤める。これは、念仏が五種の音階(宮・商・角・微・羽)で変化する珍しい作法である。祥月命日の晨朝勤行では「正信念仏偈」(「正信偈」)を行譜で勤める。日中法要(当日の十時)では讃阿弥陀仏偈作法を勤める。これは曇鸞大師が著した『讃阿弥陀仏偈』を元にした作法で、「正信偈」の依釈段にも書かれた阿弥陀仏の十二光讃を讃えている。これらの作法は作法の中でも賑やかで華やかな印象がある。
参考文献
[1] 『浄土真宗本願寺派 法式規範(改訂版)』(浄土真宗本願寺派 勤式指導所 本願寺出版社 1999年)
関連記事
覚如①
覚如 (1270-1351) 浄土真宗の僧侶。本願寺四祖(しそ)の一人。
「覚如②」はこちら
誕生
覚如は1270年(文永(ぶんえい)7)に宗祖......
覚如②
「覚如①」はこちら
本願寺建立から後世への執筆
覚如(かくにょ)は唯善(ゆいぜん)が破壊した廟堂(びょうどう)を再建することから留守職(るすしき)......
蓮如
蓮如(1415~1499)浄土真宗の僧侶。本願寺中興の祖。
誕生
蓮如は、1415年(応永22)に後の本願寺第7代、存如(ぞんにょ)の長男として生まれ......
顕如
顕如 (1543-1592) 浄土真宗の僧侶。本願寺四祖(しそ)の一人。
誕生
顕如は、1543年(天文(てんぶん)12)1月6日に誕生する。本願寺第......
親鸞
浄土真宗の宗祖。鎌倉時代の僧侶。浄土宗の宗祖である法然の弟子。
六時
六時とは時間を表すものである。一日を六つの時で割り晨朝(じんじょう)(またはじんちょう)、日中(にっちゅう)、日没(にちもつ)、初夜(しょや)、中夜(ちゅうや)......
命日
毎月の故人が亡くなった日と同じ日のことを「命日」という。また毎年の故人が亡くなった月と同じ月のことを「祥月(しょうつき)」といい、その月の命日は「祥月命日」とい......