年忌法要(法事)
年忌法要とは
年忌法要とは亡くなった人を偲び、その人の命日をご縁として阿弥陀仏を讃嘆し、その教えを聴聞する法要である。 浄土真宗の教えでは、亡くなった人は阿弥陀仏の本願力によってすでに浄土へと往生されているので、年忌法要は亡くなった人に対して善をふり向けるといった意味合いで勤めるものではない。
いつ勤めるか
基本は祥月命日(亡くなった月日が同じ日)か、その前日の逮夜に勤める。 やむを得ず日を変えなければならない時は、祥月命日や逮夜からあまり離れない日を選ぶとよい。
一周忌は亡くなった年から一年後に勤める。三回忌以降は回忌の年数から一を引いた年に勤めると覚えておくとよい(下記参照)。五十回忌以降は、五十年ごとに勤めるのが一般的であるが、心持ちによって五十三、五十七回忌と勤めてもよい。
年忌法要 | 亡くなってからの年数 |
一周忌 | 一年後 |
三回忌 | 二年後 |
七回忌 | 六年後 |
十三回忌 | 十二年後 |
十七回忌 | 十六年後 |
二十五回忌 | 二十四年後 |
三十三回忌 | 三十二年後 |
五十回忌 | 四十九年後 |
以降、五十年ごとに勤める |
なお地方によっては、二十五回忌を、二十三回忌と二十七回忌に分けて行われる場合もあります。
(『本願寺手帳 2016』P.100-101 より)
年忌法要の荘厳
年忌法要などの時は、五具足にする(なければ三具足でよい)。
三具足は普段の荘厳であり、前卓に土香炉・金香炉・花瓶・燭台(蠟燭立)の三つを置く。
五具足は報恩講や年忌法要などの法要を勤める時に用いるもので、前卓に土香炉・花瓶一対・燭台(蠟燭立)一対の五つを置く。
焼香をする場合、土香炉と金香炉を入れ替え、金香炉の蓋を左側に置き、香盒(香箱)を右側に置くとよい。金香炉には炭火を入れ、その上に沈香、十種香、五種香などのお香をつまんで香炉に入れ焼香をする。
金香炉を供える場所がない場合は手盆に金香炉を左側に置き、香盒(香箱)を右側に置き参列者でまわしながら焼香をしてもよい。また、金香炉の口が狭くお香を入れにくい場合、土香炉を使うとよい。
この他、上段の上卓に仏飯を供え、須弥壇(阿弥陀仏の仏像か掛け軸のある壇)に餅や果物などを供える。
大きな供えものは仏壇の脇などに台を置いて、その上に供えるとよい。蠟燭や花、供え物などは三回忌までは、祝いなどに用いられる赤色を避けるのが一般的である。七回忌からは赤色を避けなくてもよい。
過去帳は仏壇の下段などに置き、故人の法名が記されているページを開けておく。法名が記されている掛け軸がある場合は仏壇内の側面に掛けておく。
寺院で年忌法要を勤める際は、荘厳は寺院に任せ、過去帳と供え物として餅や果物を持っていくとよい。
参考文献
[2] 『本願寺手帳 2016』(本願寺出版社 2015年)
[3] 『浄土真宗辞典』(浄土真宗本願寺派総合研究所 本願寺出版社 2013年)