願
【がん】
梵語(サンスクリット)プラニダーナの意訳。目的や目標をたて、それを成就しようと誓って願い求める意志のこと。誓願ともいう。
例えば、阿弥陀仏はその因位のすがたである法蔵菩薩のときに願をたて、その願を成就すべく修行した。そして願を成就し、さとりをひらいた果位のすがたである阿弥陀仏となった。
願には総願と別願とがある。すべての仏・菩薩に共通する願を総願といい、それぞれの仏・菩薩に固有の願を別願という。
法然は『選択本願念仏集』で以下のように述べている。
わたくしにいはく、一切の諸仏おのおの総別二種の願あり。 「総」といふは四弘誓願これなり。 「別」といふは釈迦の五百の大願、薬師の十二の上願等のごときこれなり。 いまこの四十八の願はこれ弥陀の別願なり。 (『浄土真宗聖典 七祖篇 -註釈版-』 P.1202より)
総願
総願とは四弘誓願のことである。四弘誓願とは、
- 衆生無辺誓願度
(一切の衆生をさとりの岸にわたそうという誓願) - 煩悩無尽誓願断
(一切の煩悩を断とうという誓願) - 法門無量誓願学
(一切の教えを学びとろうという誓願) - 仏道無上誓願成
(この上ないさとりを成就しようという誓願)
をいう(それぞれ『浄土真宗辞典』 P.266より引用した)。
なお七高僧の源信は『往生要集』で以下の4つを挙げている(『浄土真宗聖典 七祖篇 -註釈版-』 P.903より引用)。
- 衆生無辺誓願度
- 煩悩無辺誓願断
- 法門無尽誓願知
- 無上菩提誓願証
願文に若干の違いがあるが、意味は同じである。
別願
別願とは
特別の願,すなわち仏・菩薩がそれぞれ独自の立場から立てた誓願のこと. (『岩波 仏教辞典 第二版』 P.895より)
である。先に引用したように、法然は別願として釈迦仏の五百願、薬師仏の十二願、阿弥陀仏の四十八願を挙げている。
参考文献
[1] 『浄土真宗辞典』(浄土真宗本願寺派総合研究所 本願寺出版社 2013年)
[2] 『岩波 仏教辞典 第二版』(岩波書店 2002年)
[3] 『浄土真宗聖典 七祖篇 -註釈版-』(浄土真宗教学研究所 浄土真宗聖典編纂委員会 本願寺出版社 1996年)
[2] 『岩波 仏教辞典 第二版』(岩波書店 2002年)
[3] 『浄土真宗聖典 七祖篇 -註釈版-』(浄土真宗教学研究所 浄土真宗聖典編纂委員会 本願寺出版社 1996年)
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