阿弥陀如来

【あみだにょらい】

阿弥陀如来とは、浄土真宗の本尊である。本尊とは宗教の信仰対象となるものである。 阿弥陀如来は、限りない智慧と慈悲をもってすべての者を必ず念仏の衆生に育て上げ、 浄土に迎え取りさとりを完成させてくださる仏である。

名前の意味

阿弥陀とはぼん(サンスクリット)アミターバ (Amitābha)・アミターユス (Amitāyus)の音訳で、アミターバは無限の光(無量光)・ アミターユスは無限のいのち(無量寿)という意味である。

如来

梵語タターガタ (tathāgata)の意訳。 真如より現われ来った者、あるいは真如をさとった者の意で、ぶつのこと。

(『浄土真宗辞典』P.531 より)

経典では阿弥陀如来以外にも釈迦如来、大日如来(毘盧遮那びるしゃな如来)、薬師如来などが伝えられている。

法蔵菩薩

阿弥陀如来がまださとりを開かれていない時の名を法蔵菩薩という。『正信しょうしん念仏ねんぶつ依経えきょう段の「弥陀章」には

ある国王であった法蔵菩薩は、世自在王仏に出遇われ、 「自分も世自在王仏のような、生きとし生けるもの全てを救う仏になりたい」と申し出られました。 世自在王仏は、仏になる方法を教えられたのではなく、 「人々を救いたいならば、まず救わなければならないものをよく知りなさい」と さまざまな国の様子やその国の人の生き方を見せられました。 法蔵菩薩は長い長い時間をかけて、すべてを見尽くしていき、 願いを建てられて、いま十方に「南無阿弥陀仏」とすくいの仏となられたことを名のられました。

(『朋友 浄土真宗入門のてびき』 P.30 大意より)

と伝えられている。

釈迦如来が『浄土三部経』を説いたことによって阿弥陀如来が知られることになり、 それを承けて親鸞が『正信念仏偈』依経段の「釈迦章」に

如来所以興出世 唯説弥陀本願海

【現代語訳】如来が世に出られるのは、ただ阿弥陀仏の本願一乗海の教えを説くためである。

(『顕浄土真実教行証文類(上) 現代語訳付き』 P.251 より)

と著した。

参考文献

[1] 『仏事日常勤行 抄訳 佛説阿弥陀経』(自照社出版 2003年)
[2] 『朋友 浄土真宗入門のてびき』(浄土真宗本願寺派 仏教壮年会連盟 本願寺出版社 2008年)
[3] 『「ただ念仏」に聞く』(浅井成海 梯 實圓 自照社出版 2007年)
[4] 『浄土真宗辞典』(浄土真宗本願寺派総合研究所 本願寺出版社 2013年)
[5] 『顕浄土真実教行証文類(上) 現代語訳付き』(本願寺出版社 2011年)

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