礼盤

【らいばん】

概要

法要の際に導師どうしが座る高座こうざを礼盤という。次の画像は筆者が所属する寺院で報恩講が勤められたときの礼盤の写真である。ここにあるように、礼盤は台の上にたたみが乗った形になっている。ここでは礼盤とその周辺に設置する仏具についてまとめて取り扱う。

礼盤一式の写真

配置

本堂の内陣と余間(※)

※ 余間の荘厳については仏教知識「余間」も参照のこと。

この図に示すように礼盤などは本堂の内陣ないじんの中、まえじょくの手前に置く。また、その周辺の仏具は以下のように置く。

礼盤一式を上から見た図

礼盤の左側にはわきじょくを置く。脇卓の上にはごうこうを置く。柄香炉は上図のように左に向けて置く(最初の写真では奥に向けているが、これは誤りである)。塗香器にはこうを入れておく。

礼盤の向こう側にはむこうじょくを置く。向卓の上には説相箱せっそうばこ据箱すえばこ)を置く。これは経本きょうぼんじょう(法要のだいなどが書かれた文書)、表白ひょうびゃく(法要の趣旨を記した文書)を入れるための箱である。

礼盤の右側には磬台けいだいを置く。磬台は横(上図の左)から見るとこのような形になっている。磬台にはけい磬枚けいばいぼう)を吊す。法要の際には導師が磬枚で磬を打ち、鳴らす。

磬台を横から見た図

登礼盤、降礼盤

導師が礼盤に登ることをとう礼盤らいばん、降りることをごう礼盤らいばんという。それぞれ作法が定められており、柄香炉、磬枚などを定められた順序で取り扱う。

平常時の配置

法要が行われないときには向卓には説相箱を置かず、りっきょうだいを置いておく。立経台にはじょうさんきょう(『仏説ぶっせつ無量寿むりょうじゅきょう』2巻、『仏説かん無量寿むりょうじゅきょう』1巻、『仏説阿弥陀あみだきょう』1巻の計4巻)を立て置く。

立経台

参考文献

[1] 『浄土真宗辞典』(浄土真宗本願寺派総合研究所 本願寺出版社 2013年)
[2] 『浄土真宗本願寺派 法式規範(増補版)』(浄土真宗本願寺派 勤式指導所 本願寺出版社 2007年)

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