迦葉(カーシャパ)三兄弟

【かーしゃぱさんきょうだい】

釈尊しゃくそんの弟子で三兄弟。ナイランジャナー川西岸、ガヤーのほとりに住んでいた三人の兄弟であり、名前は長兄ウルヴィルヴァー・カーシャパ(優楼うるびん迦葉かしょう)、次兄ナディー・カーシャパ(那提なだい迦葉かしょう)、末弟ガヤー・カーシャパ(伽耶がや迦葉かしょう)である。三人ともそれぞれが、火を崇拝すうはいし、火の儀式を行う行者ぎょうじゃたちのリーダーであった。釈尊成道じょうどう後まもなく、釈尊に教化きょうけされ出家しゅっけし弟子となった。長兄には500人、次兄には300人、末弟には200人の弟子がいたとされ、それらの弟子も同時に集団改宗し釈尊の弟子となった。このために仏教教団は飛躍的に発展し、その後のシャーリプトラ(舎利弗しゃりほつ)とマウドガリヤーヤナ(目連もくれん)たちの集団改宗とあわせて、教団の基盤が確立したといえる。

参考文献

[1] 『岩波 仏教辞典 第二版』(岩波書店 2002年)
[2] 『仏弟子の生涯 上<普及版>』(中村元 春秋社 2012年)

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