お仏壇のお迎え・お引越し
はじめに
一般的に新しく仏壇を購入した際に勤める法要を「お性根入れ」、仏壇を修理に出すときや買い替えたりする際に勤める法要を「お性根抜き」という表現でよく使われることがあります。しかし、浄土真宗には「お性根入れ」「お性根抜き」という名称の法要自体が存在しません。本来、法要というものは、気持ちや心を表現するためのものですから、この名称ですと霊魂を入れたり抜いたりするという意味合いになってしまいます。新しくお仏壇を迎える際は「入仏法要」、元々ご自宅にお仏壇があり、別の場所へ遷す際は「遷仏法要」といいます。意味合いとしましては関連記事より仏教知識「入仏法要・遷仏法要」を参照してください。
お仏壇は阿弥陀仏をご安置するところです
浄土真宗におけるお仏壇は、私たちをすくわずにはおれないと常によりそいお慈悲をはたらきかけて下さっているご本尊、阿弥陀仏をご安置するところであります。私たちにとって、ご先祖は阿弥陀仏の本願力によってお浄土へ還り、すでにすくいとられて阿弥陀仏と同じ仏さまになっておられると受け取りますので、お仏壇にご先祖様の霊魂を入れたり抜いたりするといった概念はありません。お浄土は本来、色も形もない真実そのものの世界であり、阿弥陀仏を主とし、たくさんの仏さまがたがおられる世界でありますが、それをなんとか形にしたものがお仏壇であります。いわば、お仏壇での仏事はご先祖が還られたお浄土を偲び、ご先祖をおすくい下さった阿弥陀仏に感謝し、ご先祖だけでなく私たちをおすくい下さる阿弥陀仏のお慈悲に気付かせていただく場でもあります。
入仏法要のお心持ち
我々をすくおうと仏像や掛け軸の絵や「南無阿弥陀仏」の名号として顕われて下さった阿弥陀仏をご本尊として、お仏壇へ迎え入れさせていただくことを慶び讃える法要としてお念仏いたしましょう。
遷仏法要のお心持ち
お仏壇とともに御本尊である阿弥陀仏に新しい場所へとお遷りいただきますので、移り住む場所が変わっても、いつでもどこでもついて来て下さる阿弥陀仏のお慈悲を慶び讃える法要としてお念仏いたしましょう。