小冊子『浄土真宗の葬儀のながれ』
浄土真宗本願寺派大阪教区住吉組
≪葬送儀礼ガイドライン≫
- 葬儀社と金銭の授受は行わない。
- お布施の金額について多寡を問わない。
- 浄土真宗の教えに沿った葬送儀礼(満中陰までの法要)を執り行うために事前に葬儀社・門信徒と一緒に打ち合わせの場を持つようにする。
- 臨終勤行から満中陰までの一連の流れを作成しておき、門信徒に提示できるよう準備をしておく。
- 門信徒からいわゆる直葬・一日葬等の儀式の簡略化を希望された場合でも、葬儀規範に則った浄土真宗の本来の葬送儀礼を執り行って頂けるよう丁寧に説明をする。その上で門信徒の意向を伺う。
尚、浄土真宗には葬儀中に初七日・中陰を執り行うという作法は存在しない事を門信徒に確認する。 - 葬送儀礼の後、月参り・年忌等のご縁を持てるよう門信徒に働きかけ、希望された場合はお参りに伺う。その際に、ご遺族の願いや悩みに向き合えるように留意する。
- 所属する門信徒以外の葬儀を受けた場合、その門信徒に所属する寺院があるかどうかを確認する。所属する寺院がある場合は、その寺院へ連絡を取って頂くよう門信徒に促す。
- 法名は、「法名の授与に関する寺達」に則り、釋○○のように漢字二字とし、「釋」の字を冠するものとする。信士・信女・居士・大姉・霊位・位のような位号や置字添字等は付けない。尚、尼については寺達に則って原則として用いないが、門信徒が希望された場合は、丁寧に説明をした上で再度意向を伺う。
私たちは葬送儀礼を執り行うにあたり以上の項目を遵守します。
このガイドラインは、二〇一八年三月二十九日より発効します。
このガイドラインの内容に改訂の必要が生じた場合は住吉組組内会を開催し、全寺院の一致のもと改訂を行います。
浄土真宗本願寺派大阪教区住吉組
- 光明寺
- 教圓寺
- 圓満寺
- 瀧光寺
- 真光寺
- 西法寺
- 真願寺
- 光陽寺
- 安養寺
- 永祥寺
- 寶林寺
- 祐貞寺
- 圓信寺
- 常福寺
- 松岸寺
- 順照寺
- 正覚寺
(大阪教区寺院名簿順)
ガイドライン作成にあたって
浄土真宗本願寺派大阪教区住吉組においては、二〇一二年四月より始まった「御同朋の社会をめざす運動」の組重点プロジェクトのひとつとして「葬送儀礼」に関する諸問題について、二期五年に渡って計十回の研修会を開催してまいりました。
その第四回(二〇一四年七月二十八日津村別院にて開催)の研修会では、参加者から「住吉組で葬儀についてのガイドラインをつくるべきである」という声が上がり、その後に開催した住吉組組内会(二〇一四年十二月二十一日安養寺にて開催)において、「葬儀のガイドラインの作成に向けた研修の実施」と「作成したガイドラインを住吉住之江両区の各葬儀社及び住吉組所属寺院の門信徒に提示していく」という方針が出されました。
この方針にしたがって、三回にわたり組内僧侶による「ガイドライン作成のための意見交換会」が行われました。意見交換会では「葬儀社との関係をどのようにしていくか」や「儀礼の簡略化が進むことへの危惧」など、率直な意見が交換されました。
また、葬送儀礼におけるさまざまな課題を考えるために講義形式の研修会も計六回開催してまいりました。それは、今まで私たち僧侶が執り行ってきた数多くの「葬送儀礼」について見つめ直す研修会となりました。
それらの学びの中で私たちは、「これまで門信徒の願いに応える葬送儀礼を行ってきたのか」と自問をしてまいりました。そして、その問いかけの中から浮かび上がってきたのは「葬送儀礼に僧侶は必要ない」とまで門信徒に失望をさせ、法要儀式の簡略化を自ずから招いてきた私たち僧侶の姿でした。いま、住吉組の僧侶一同は、このガイドラインに挙げられたようなさまざまな現実の問題から目をそらし続けてきた僧侶の体質を真摯に反省し、その課題の克服に向けたスタートとして、このガイドラインを作成いたしました。
私たち住吉組の各寺院に所属する僧侶全員で、このガイドラインを遵守し、また、このガイドラインに沿って「葬送儀礼」を執り行えるように各葬儀社と協力し、門信徒とともに御同朋の社会をめざして歩んでまいります。
目次
2. お布施の金額について多寡を問わない。
3. 浄土真宗の教えに沿った葬送儀礼(満中陰までの法要)を執り行うために事前に葬儀社・門信徒と一緒に打ち合わせの場を持つようにする。......