須菩提(スブーティ)

【しゅぼだい】

釈尊しゃくそんの弟子。サンスクリット、パーリ語ともにスブーティ、漢訳では「須菩提しゅぼだい」「善吉ぜんきち」「善現ぜんげん」などと記される。コーサラ国のシラーヴァスティー(舎衛城しゃえじょう)で祇園ぎおん精舎しょうじゃを寄進した給孤独きっこどく長者スダッタの弟スマナの子として生まれる。祇園精舎で釈尊に帰依きえし、出家しゅっけする。教化活動のなかで他教団から非難・中傷・迫害を受けることがあっても決してあらそわず、釈尊からは「無諍むじょう第一」とたたえられた。初期教団では必ずしも重要な人物ではなかったと思われる。しかし後代こうだい大乗だいじょう仏教では非常に重んぜられ、あらゆる物は固定的な実体のないくうであるという道理を体得したとされ、「解空げくう第一」とたたえられた。釈尊「十大じゅうだい弟子でし」の一人。

参考文献

[1] 『岩波 仏教辞典 第二版』(岩波書店 2002年)
[2] 『仏弟子の生涯 下<普及版>』(中村元 春秋社 2012年)

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