摩訶迦葉(マハーカーシャパ)

【まかかしょう】

釈尊しゃくそんの弟子。サンスクリットではマハーカーシャパ、パーリ語ではマハーカッサパ、漢訳では「摩訶迦葉まかかしょう」「大迦葉だいかしょう」「迦葉」などと記される。マガダ国の首都ラージャグリハ(王舎城おうしゃじょう)の近く、ナーランダー近郊の村のバラモンの家に生まれた。釈尊成道じょうどう後三年目頃に釈尊に帰依し、出家して八日目にふたたび迷いの世界にもどることのない阿羅漢果あらかんかに達したとされる。弟子の中でもっとも執着しゅうじゃくを離れ、清貧せいひんに甘んじて苦難に堪える頭陀行ずだぎょうを徹底的に行い「頭陀第一」とたたえられた。釈尊の信頼も厚く教団の長老にもなった。釈尊入滅後に行われた最初の聖典せいてん編集会議(第一だいいち結集けつじゅう)では編集の責任者である主幹しゅかんとなった。阿難あなん(アーナンダ)とともに教団では進歩的な立場をとり、その後、アーナンダを法の後継者にして生涯を終えた。釈尊「十大じゅうだい弟子でし」の一人。

参考文献

[1] 『岩波 仏教辞典 第二版』(岩波書店 2002年)
[2] 『仏弟子の生涯 下<普及版>』(中村元 春秋社 2012年)

関連記事

十大弟子
釈尊の弟子の中で、特にすぐれているとたたえられた十人の弟子たち。その文献により、挙げられる弟子は異なる。今日一般的によく知られている十大弟子は『維摩経(ゆいまぎ......
釈尊
誕生 釈尊(しゃくそん)は、紀元前624年~463年頃(諸説あり)、ネパール南部のルンビニー(現在ルンミディ村)で、コーサラ国の属国であるカピラヴァストゥ(......