華葩 散華

【けは さんげ】
華葩

華葩けはとは、花びらをかたどったへんのことをいう。さんという作法に用い、きょうぼんしおりとしても使われる。経本以外にも一般書の栞としても使ってよい。

散華とは、華葩を右前方に散らす作法である。起立時、ぎょうどう内陣ないじんの本尊の周囲を右回りに歩く作法)時に行う。またちゃく時に行うこともあり、これを座散華ざさんげという。この時は右手で華葩をつまみ膝の右前方に散らす。どう礼盤らいばん着座時はわきじょくに華籠をおいたまま左手で華葩を取り、右手に持ちかえて右前方に散らす。

散華

散華は浄土真宗じょうどしんしゅうに限らず様々な宗旨で依用される。右前方に散らす本願ほんがん寺派じはに対し上方へ華葩を舞わせる宗旨も多い。

毎年10月12日に本願寺で勤められる亀山天皇かめやまてんのうせい法要ほうようでは華葩を使わずしきみを使い、華籠を使わず枝をごうのように持ち右手で葉を摘み右前方に散らす。これをえださんという。

参考文献

[1] 『浄土真宗本願寺派 法式規範(改訂版)』(浄土真宗本願寺派 勤式指導所 本願寺出版社 1999年)
[2] 『新編 天台宗法式作法集』(天台宗務庁教学部 2001年)
[3] 『岩波 仏教辞典 第二版』(岩波書店 2002年)

関連記事

華籠
華籠 華籠とは元来(がん)は摘(つ)んだ花を盛る丸く皿状の器(うつわ)(籠(かご))のことをいう。浄土真宗......