今様
【いまよう】
7・5調4句1首を基本形態とした歌で平安時代に入ってから新しくできた歌謡。文字通り今(当時)の世の中のあり様を歌ったもので、主に傀儡女(踊りながら歌う女性)や遊女たちがその歌い手の中心で、当時流行していた神仏の信仰、風俗や服装、人生観や恋愛など多種多様な物事を題材に歌われていた。平安中期になり、貴族の間でも歌われるようになり、宮中の宴などでも盛んに歌われるようになった。
また、この今様に魅せられた後白河天皇が住まいの法住寺庭に人々を招き入れ、今様合わせ(歌合戦のようなもの)を開催し、後に今様の起源や様式における逸話を記した『梁塵秘抄口伝集』10巻、歌謡集である『梁塵秘抄』10巻を編集している。
参考文献
[1] 『今様の時代 変容する宮廷芸能』(沖本幸子 東京大学出版会 2006年)