合掌 礼拝

【がっしょうらいはい】

古来インドで始まった礼法で、今日でもインド、東南アジアの仏教国では、合掌をして挨拶をする文化がある。

先ず、右手は清らかなものや知恵を表す仏の象徴といわれる。左手は現世げんぜで生きとし生けるものである衆生しゅじょう。 つまり、私自身であり、不浄さを持っているが行動力の象徴を表わす。 両手を合わせる事によって、仏と一体になることや仏への帰依きえを示す。

日本では、食前食後の挨拶に合掌をする習慣がある。これも、仏教由来の慣習の一つである。

作法として、両手を合わせ軽く胸の中心前につけて、 指を揃えて小指の側面が地面に対して約45度の角度に保ち、 親指に念珠をかけて軽く押さえる。 肩、肘を張らずに自然と背筋を伸ばし、ご本尊を仰ぎ南無なも阿弥陀仏とお念仏を称える。

いま、他でもないこの私に、はたらきかけて下さる如来のび声を聞かせていただく 称名しょうみょう(南無阿弥陀仏とお念仏を称えること)を大切に心がける。

次に礼拝。キリスト教やイスラム教、日本の神道しんとうでは「れいはい」と読むが、 仏教では「らいはい」と読む。教派によっては、若干の語義の差があるものの、 宗教儀礼において、神仏に対して礼拝の心得は同じ様な意味合いを持つ。

礼拝は、合掌をしたままの姿勢で、上体を約45度前方に傾けて礼をしてから、 ゆっくりと上体を起こして合掌をとく。 合掌時、手の角度は45度、礼拝の角度も45度。 つまり礼をした時に、小指の側面が地面と水平になる形が丁度、45度の角度になる。

また、合掌をせずに上体を約15度傾けてする礼を揖拝ゆうはいまたは一揖いちゆうという。 首から上だけを動かして頭を下げる形ではない。 この作法はお寺の山門をくぐった時、お堂に入った時、 お焼香をする時の最初と最後など、様々な状況で使われる。

人間の最も美しいすがたは合掌の姿勢ともいわれるので、そのことを心がけたいものである。 また、他人に向かって合掌をする事は、その者への深い尊敬の念を表す。

せっかくの仏事に携わるなら、是非綺麗な形を心がけて頂きたい。

関連記事

どこへ向かって手を合わせるのか
合掌礼拝 我々仏教徒はよく合掌(がっしょう)・礼拝(らいはい)をします。その際、我々はどこへ向かって手を合わせているのでしょうか。仏像や仏壇やお墓に向かって......